□ ○×△ 平成14年5月20日
‘決断’を迫られるのは、常に△の状況である。間違いなくうまくいっている時は○であり、絶対に駄目なときは×であり、△の時の判断をきちんとできるかがリーダーにかかっている。△のところに踏みこまない社員は決して企業の為にならないし、△に積極的に打って出る社員が多いかどうかに企業はかかっている。 確実に成功しそうな仕事は良いし、そうでない仕事は、単に情報としてストックしておくだけでいい。どちらになるかわからない△の仕事に対して成果を目指して努力する。早い時機に可否を見極めることが大事だ。住宅営業は3回の打合せで可否を見抜くのが鉄則だ。会社を代表して現場の前線に出ている工事現場の所長にとっても、常に判断、決断を迫られる。クラッシュになった時が問題だ。先手先手に手戻りにならないように手を打っておかなければならない。そのままにしておけば、原価管理に結びつかないし、発注者対応、住民対応もまちがえればとんでもないことになる。経営者の自分にとっても、新規顧客にどう対応するか、この顧客は大丈夫か、この仕事は遠すぎやしないか、資金は回収できるか、組織をどうダイナミックなものにしていくか…、年に何回か大きな決断を迫られる。できるだけ情報を多くとり、迷ったときは基準を決めている。心の中で半分のときは、踏みとどまるしかない。それ以上のときは前に進む。 中国の瀋陽の大使館員の判断が毎日のように報道されている。自分に置き換えてみると、△の時、日常の判断基準をもつことの大切さを痛感させられる。大事なのは自分の考えを一番理解してくれ行動してくれる、○の集団だが、完全に自分の主張と相対する×の人を追いかけるのでなく、△のあいまいな人にいかに自分の考えを理解してもらえるかによって、初めて大きな集団が形成されていく。 よく言われる事だが、山登りの隊長にとって一番大切な資質は、‘決断’する力である。天候を考えたり、隊員の疲労度、難易度、それまでかかったお金やいろんな情報を常に把握しながら、危険と隣り合わせで山登りをするリーダーだ。判断をひとたび間違えば、とんでもない災害を引き起こしてしまう。隊長に求められる一番の判断は、厳しい時に‘降りる’決断ができるか如何にかかっている。一人で降りられない山に登るもんじゃないし、まして登り切れぬ山に挑戦するものじゃない。特に建設業は一歩一歩階段を上っていくのが大事だと心に決めている。
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