□  環境経済                                       平成14年10月28日



 今の時代、環境に対していかに配慮した取り組みを企業として行っているかどうかも企業の格付けとなって社会的に評価される時代になってきた。特に建築生産は、環境破壊に与える影響は大きいし全炭素排出量の影響のうち47%は建築生産によるもの。環境にいかにやさしいかという視点――環境経済の観点からいつも環境を考えなくてはならない。     

環境破壊について多方面で地球全体のこととして論議され、状況はますます深刻になりつつある。特に、」、「大気耕作地の切羽詰った問題は30〜50年後、危機的状況がこのままでは必ずやってくる。、地球の表面の五分の四が水であってもそのうちの97.5%は塩水だから使えない。湖、河川、貯水池など使える真水は地表水分の0.007%しかない。水不足は、今でも北アフリカ、中東、インド、中央アジアなどで深刻だが一層つらい事になりそうだ。は大事、社会的な軋轢、政治的な混乱を引き起こしかねないし大規模の移民、伝染病の発生の要因となる。大気の厚さは地球表面20キロの厚さはあっても量ではなくて質が問題、大気汚染で酸素含有量が減ってしまってはどうしようもない。と連動するのが耕作地、温暖化、冷夏など気候の変化により何十億の人々にとって起こりうるであろう世界的な食糧危機のリスクに対処しなければならない。

 環境汚染廃棄物生態系破壊の3つのキーワードが相互にどう関連するか見極めることが大事である。環境汚染は環境中に人工的な物質が許容量以上に排出されることによって、人間に被害を与える状況を指している。廃棄物はダイオキシン問題に象徴されるように環境汚染と密接な関係があり、日本人1人あたり一般廃棄物と産業廃棄物合わせて1日で約10kg出るし、年間1億トンが埋められるか焼却されている。埋め立ては自然破壊と裏表、生活環境の低下、焼却はダイオキシン発生要因となる。生態系破壊の問題は、1980年代以降の地球環境問題に端を発した生態系保護の広がりと一体となって生命に対する共感、環境倫理意識の高まりとなってあらわれている。

 環境経済――環境そのものに貨幣価値単位での経済評価はしなければならない。費用を出来るだけかけずにより多くの経済便益を得ようとする経済学の原理は環境保全や利用においても貫かれる。環境の評価は、必要とした価格に自然の損失をプラスしトータルで考える、生産によって損なわれた自然の価値―――みかけの価値から真の価値へと認識を変えること、一物二価の精神となる。

                                                        (青柳 剛)



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