腹は心、心は腹                                                平成16年6月28日



 「腹は心、心は腹」。同じような世代の3人の蕎麦屋の客、脇で見ていると面白い。何であんなに腹が出ているんだ、みっともない、きっといろんな病気を抱えている、いや間違いなくそのうち高血圧だの、糖尿病、通風だのいわゆる生活習慣病にかかる。あの体型はきちんと運動でもして何とかならないんかと脇で見ていて他人のことでも気になってしまう。ウェストはきっと1m以上はあるし、それ以上にだらしなく膨らんでいる。他の2人は普通盛りの「もりそば」なのに一人だけ気になる腹の出た客だけが、しっかり「おおもりそば」を食べている。運動しているかどうかは別にして、要は食べ過ぎ、欲望に任せて食べていくからあんな体型になる。「腹は心、心は腹」の事を言う。気になる健康の事、今日は最近気に留めて見聞きした健康雑学の1ページ。

 「しりが小さくなったなあ」と思って心配していたらやはり病気になってしまったとは、先日脳の病気で倒れた有名な元プロ野球の監督の事についてコメントしていた記事。「しりが小さくなる事は良くない事」とは知らなかった。個人の身体全体の血液の総量はもちろん一定量、問題なのはどこに血液をためているかによって健康の維持が変わってくる。しりが大きければ大きいだけしりの血管の総量も多くなる。細かい血管が大きなしり全体に張り巡らされる事になる。そして、しりの血管全体で身体全体の血液の量をまかなう割合も多くなる。逆にしりが小さくなればしりの部分で受け持つ身体全体の割合が少なくなる。なくなった血液を他の部位が受け持つ事になるから健康に影響が出てくる。移動した血液が高血圧、脳の病気、心臓の病気などの原因となる。歩いたり、スクワットを繰り返しながらおおきなしりを維持する事が大事と言う健康雑学その1。

 サウナなんかただ汗を出すだけ、体内の水分が絞りきられるだけ、サウナに入って出た後に水を飲めば元に戻ってしまう。サウナは、身体に良くないとずうっーと思っていた。水分が足りなくなるから下手をすればすぐに痛風が発症するぐらいにしか考えていなかった。ところがどうもマイナス面ばかりではないようだ。身体を温めることの効果がある。日本人の平均体温は36.8度と言われてきたが今では36.8度が平熱なんて人は殆ど見当たらない。36度ちょっとか若い人は35度台が大半だと言う。低い体温だがもたらす悪影響は脂肪や糖分の燃焼を低下させる。低体温によって収縮した血管は血液の流れを悪くし、脳卒中、心臓病などの要因となる高血圧の引き金にもなる。身体を温める適度な塩分も必要、入浴、サウナもそういう意味で効果がある。それでも筋肉を鍛えて身体を温める事が一番だと言う健康雑学その2.

 ただ運動をすれば良いとは限らない。無酸素運動はプリン体を生成すると先日のテレビでも言っていた。夏になると痛風予防の健康番組が必ず毎年放映される。暑くて体内の水分不足が痛風を誘発する。夏は一日2000CCの水を飲めとも言っていた。食事から摂る水分と別に純粋に水2000CCだから意識して飲むしかない。もちろん痛風にはアルコールは駄目、アルコールもプリン体を生成する。なんと言っても一番悪いのが無酸素運動だそうだ。痛風に悪い食べ物の比ではない。運動選手、特に相撲取りに痛風が多い。相撲取りは量を食べると言う事もあるが、相撲を取るときは一気に力を込め、息を止める完全な無酸素運動だと言うことである。夏の水分不足になりがちな身体、有酸素運動をしながらその後ストレッチ、通風予防に大事だと言う健康雑学その3.

 「腹は心、心は腹」、欲望に任せて食べ続けては行けない。心がたるんでいるからだらしない腹になる。腹は身体の中心、中心がだらけていては見るも無惨な「ぶりの腹」にまでなる。腹のことを考えると面白い。「腹が立つ」、「腹黒い」、「腹の探り合い」、「腹をくくる」、「太っ腹」・・・きりがなく書いていく事が出来る。そう、腹を心にみんな置き換えることが出来る。先日のNHKの大河ドラマの新撰組、新見錦が腹を切ったのは仲間の心を裏切ったから腹、心を切ったのである。筋トレの最中に幅広の皮ベルトを腹にきつく巻けばもっと重い重量を持ち上げられるようになるし、走るときに腹に帯を巻けばスピードも速くなる。「腹は心、心は腹」、気になる健康、腹をすえて考える歳になってきた。

                                          (青柳 剛)

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